光る知覚

白夜のノルウェーに滞在した経験を基に、生活する上において照明に対する認識の文化差や認知のズレが現れる場面に着目し制作した。

《ペン先のインクの中に、その文字を映す反射光に》
ON とOFF には、つねに相反する一方の影がつきまとう。それは見えにも認識にも当てはまる。ただ、片方の状況にいる時もう一方の影は透明になる。捉えることが不可能な透明の影。北極圏にある街の夏に闇はやって来ない。夜はかすかな闇の気配を漂わせては去る。23 日分の夜を過ごしても、私にはずっと昼だった。見事なまでに闇が見えない。明るい深夜にノルウェー流のシャボン玉遊びをし、部屋に戻って電灯を点けるべきか途方に暮れた。

《電球都市》Norge, Island of the Midnight Sun
断絶がコミュニケーションを加速させる状況がある。たとえば死が一つの例だとしたら、私の場合は物理的な距離と時差だった。それは、あらゆる未知の土地とその場に訪れた人物への憧憬として現れた。もしかしたら、知られざる旅人に他所者としての自らの状況を重ね合わせていたのかもしれない。逆説的にいえば、光は断絶の象徴とも言える。光のもとで見えている限り、私たちはその海を、その太陽を見続けていられるからだ。

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Photo:Yusuke Tsuchida



光る知覚

展覧会期|2017年4月29日(土)~6月4日(日)
開館時間|12:00~19:00(金・土は20:00まで)
会  場|アキバタマビ 21(Website
東京都千代田区外神田6-11-14 3331Arts chiyoda 2F 201,202
休 館 日|火
観 覧 料|無料
特設サイト

参加作家|鈴木泰人、星田大輔、村上郁、渡辺望


株式会社灯工舎 藤原工さんとのクロストーク
株式会社灯工舎の灯工頭で美術照明家・光文化研究家の藤原工さんとクロストークを行いました。
第一部:美術照明という仕事
第二部:アートと光の心象風景

パフォーマンス・中野仁詞さんとのクロストーク
参加作家とスペシャルゲストによる音と光のパフォーマンスを行い、神奈川芸術文化財団学芸員の中野仁詞さんとのクロストークを行いました。
パフォーマンス:市川 平|金刺 わたる|久世 孝臣|鈴木 泰人|丸山 勝之

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